ステージや5年生存率について知り食道がんへの理解を深めよう

早期食道がんのステージ分類と5年生存率

さらに食道がんについて詳しくなるために、ステージや5年生存率について説明します。基準を知ることで、身体の状態に合わせた治療方法を選択することができます。

ステージの基本

ステージとは”がんの進行度”を示すものです。がんのステージはI・II・III・IVと基本的には4段階になっています。4段階の中でもIVが最も進行しており悪い状態を意味しています。このステージの判定には3つの基準があり、①がんの大きさや広がり、②リンパ節への転移、③他臓器への転移によって、I~IVの各ステージに分類されます。ステージIと診断されて手術を受けたとしても、リンパ節に少しでもがん細胞が広がっていた場合は、ステージIIやIIIと判定される場合もあります。リンパ節への転移がステージを分ける判断基準となるのです。

各ステージの状態

ステージ状態の表

食道がんの各ステージの5年生存率

5年生存率とは、治療によってがんが身体から消えてから5年後に生きている割合のことを言います。がんではよく、この”5年生存率”という指標が使われていますが、なぜなのでしょうか。
それは、治療によってがんが消えてから5年が経過するまでに再発がなければ、治癒したと診断されるからです。治療で完全に取り除けなかったがんは成長が早く、5年以内に発見されることが多いのです。この5年生存率は、完治した人だけでなく再発した人も含めた場合の数値です。

生存率のグラフ
病原菌

5年実測生存率は、がん治療を開始して5年後に、再発をしていようがなかろうが生存している人を含めた割合のことを言います。一方、5年相対生存率は、がんではない日本人の5年後の生存率を100%としたときに、性別や年齢が同じがん患者の生存率が何%になるかを言います。100%に近いほど治しやすく、0%に近いほど治しづらいことを意味しています。

切らずに治す食道がん治療はI期の早期治療で可能~手術と科学放射線療法の分かれ道~

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食道がんの治療を受ける前に、どのような治療方法があるのか明確にしておきましょう。あなたに合った治療方法を選択できるかもしれません。また、治療方法を選択するときに、がん治療でよく利用する抗がん剤の副作用についても理解を深めておきましょう。

ステージIなら自分で治療方法を選択できる

食道がんの治療方法は、内視鏡治療・手術・放射線療法・抗がん剤の大きく分けて4種類あります。がんが進行している場合は、外科治療や放射線治療、化学療法などを組み合わせた集学的治療を行なうのが基本的な流れとなっています。
治療はステージ別で異なりますが、がんが粘膜下層まで留まり、かつ転移のないI期の場合は外科治療(手術)か、化学放射線療法(放射線と化学療法の組み合わせ)のいずれかを選択できます。化学放射線療法は臓器を残しながら、手術と同等の効果を得られます。手術で声帯を摘出すると声を出せなくなってしまう場合も考えられるので、不安な方は化学放射線療法を選択してみると良いでしょう。

三人の男女

化学放射線療法で利用する抗がん剤の種類と副作用

シスプラチン+フルオロウラシル(シスプラチン・5FU)

特 徴

シスプラチンとフルオロウラシルの2剤を組み合わせるシスプラチン・5FUは、食道がんの治療に使う抗がん剤として、日本で最も利用されています。一般的にフルオロウラシルにはDNAの合成を阻害して、がん細胞の増殖を防いでくれます。一方、シスプラチンは、細胞分裂を阻止する効能があります。

副  作  用

フルオロウラシルには、抗がん剤でよく見られる嘔吐や食欲不振、倦怠感や下痢、脱水症状などの副作用があり、シスプラチンには腎機能低下や白血球の減少、聴覚障害などの副作用が表れます。

ドセタキセル

特  徴

ドセタキセルは細胞分裂をするときに、重要な働きをする微小管(細胞の働きや形を保持する組織)の運動を阻害して、がん細胞の増殖を止めてくれます。

副  作  用

骨髄の働きが抑制されて、好中球が減少します。初回および2回目のドセタキセル投与の数分後には過敏症が起こることもあります。また、ドセタキセルの特有としてむくみや爪障害も表れます。投与の2~3週間後には脱毛も見られますが、こちらは一時的なものです。

副作用の強さは人によって異なります。投与中にひどい副作用を感じた場合は、医師と相談し合いながら量や回数を調整して、投与した方が望ましいでしょう。また、抗がん剤の投与中は身体的だけでなく、精神的にも辛い思いをする時期が続いてしまいます。そんなときは、ご家族を頼りメンタルケアをしてもらうと、多少は楽になるかもしれません。